記事の詳細

成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

古物営業法で、許可を与えてはならない人としての「許可の基準」が第四条に記載されておりますが、その第一号に、この「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」が挙げられています。
ここでポイントになるのが、以下の3つの言葉の意味になると思います。

  • 成年被後見人
  • 被保佐人
  • 復権

「成年被後見人」とは?

知的障害や精神上の障害により判断能力を欠く状況にあるとして家庭裁判所の後見開始の審判を受けた者を「成年被後見人」と言います。
この家庭裁判所の後見開始の審判の請求は、本人、配偶者、4親等内の親族、または検察官などが行うこととなります。

家庭裁判所から「成年被後見人」の審判を受けると、東京法務局の後見登記等ファイルに記録されることになります。ですので、成年被後見人に該当していないことの証明は、東京法務局が発行する「登記されていないことの証明書」ですることになります。但し、平成12年3月31日以前には、禁治産者(現在の「成年被後見人」に該当)として本籍地のある市役所に通知されていましたので、平成12年3月31日以前については本籍地のある市役所が発行する「身分証明書」で証明することになります。

「被保佐人」とは?

知的障害や精神上の障害により判断能力が不十分であるとして家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者を「被保佐人」と言います。
この審判の請求も、後見開始の審判請求と同様に、本人、配偶者、4親等内の親族、または検察官などが行うこととなります。

家庭裁判所から「被保佐人」の審判を受けると、東京法務局の後見登記等ファイルに記録されることになります。ですので、被保佐人に該当していないことの証明は、東京法務局が発行する「登記されていないことの証明書」ですることになります。但し、平成12年3月31日以前には、準禁治産者(現在の「被保佐人」に該当)として本籍地のある市役所に通知されていましたので、平成12年3月31日以前については本籍地のある市役所が発行する「身分証明書」で証明することになります。

「破産者で復権を得ないもの」とは?

借りたお金が返せなくなった場合に「自己破産」という手段があることはご存じだと思います。要は、借金をなかったことにする制度です。この「自己破産」の申し立てをする人のことを「破産者」と呼んでいます。
この自己破産の申し立ては裁判所にすることになるのですが、その裁判所が免責決定すると借金がなかったことになります。この状態を「復権」と言います。

つまり、「破産者で復権を得ないもの」とは、「自己破産の申し立て中で免責決定がされてないもの」のことを言うわけです。

自己破産の申し立てをしてから免責決定(つまり、復権)するまでの期間は数カ月です。
よく、自己破産されてから数年経過している人で、「自分は古物商許可を取れないのではないか?」と勘違いしている人がいますが、免責決定(つまり、復権)していれば、許可取得の障害にはなりません。ただ、裁判所が免責決定をしなかった場合は、もちろん「復権」の状態ではないわけなので、古物商の許可を取得することができません。「復権」の状態になるには、破産宣告後10年を経過するのを待つか、借金を全額返済するかです。

自己破産の通知は本籍地のある市役所にされることになりますので、「復権」の状態であることの証明は、本籍地の市役所で発行する「身分証明書」ですることになります。

まとめ

「成年被後見人」「被保佐人」でないことの証明は、以下の証明書ですることになります。

  • 平成12年3月31日以前の分は、本籍地のある市役所が発行する「身分証明書」
  • 平成12年4月1日以降の分は、東京法務局が発行する「登記されてないことの証明書」

「破産者で復権を得ないもの」でないことの証明は、以下の証明書ですることになります。

  • 本籍地のある市役所が発行する「身分証明書」

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る