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せどりをやるには古物商許可は必要なのか?
せどりをやっている方は注意!
せどりをやっている方の中には、ブックオフやヤフオクなどの有名なところからだけ古物を仕入れされている方も多いかもしれません。しかしながら、この行為を古物商許可を取得せずにやっておられるとしたら、すぐに古物商許可を取得することをお勧めします。
【根拠となる古物営業法の条文】
第二条第二項 この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
第一号 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
第二条第二項 この法律において「古物商」とは、次条第一項の規定による許可を受けて前項第一号に掲げる営業を営む者をいう。
第三条第一項 前条第二項第一号に掲げる営業を営もうとする者は、営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)が所在する都道府県ごとに都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第一号 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者
せどりは、上記の古物営業法第二条第二項第一号に記載がある「古物の売買」に該当し、第二条第一項で「古物の売買」を行う者は「古物商」に該当すること、第三条第一項に「古物商」となって古物営業をするには許可を取得しなければならないことが規定されています。さらに、古物商の許可を受けないで古物営業を行った者には「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金」に処することが第三十一条第一号に規定されています。
この事実を知らずに、ほんのお小遣い稼ぎ程度の軽い気持ちでせどりに手を出している方も非常に多いというのが現実のようです。 転売目的で古物を仕入れをしている以上、それがどんなに有名なところから仕入れていたとしても古物商許可は必要なのです。
しかし、こういう反論をしてくる人もいることでしょう。
「個人から買い取るのではなく、ブックオフやヤフオクなど世間でも有名な業者から古物を仕入れる場合、古物商の許可は必要ない。警察で確認したから間違いない。」というようなネット上の情報を見た・・・と。
あなたはネット上の情報を鵜呑みにしますか?
確かに、「警察に確認したが、古物商許可は必要ないと言われた」と書いた情報がネット上で出回っているのは私も確認しています。ただ断言できるのは、古物営業法と古物営業法施行規則などの古物営業に関する法令のどこを見ても、『古物商許可は必要ない』と判断できる条文など一つもないということです。
ならば、そのような通達が出ているのかもしれないと考えて、複数の都道府県警察本部に確認しましたが、そのような通達を出している公安委員会があるという事実もありません。
私が確認した複数の都道府県警察本部ではすべて、「転売目的で古物を仕入れしている以上、ブックオフやヤフオクなどの有名なところから仕入れるのであっても、古物商許可は必要です。仕入先が日本国内である以上、どこから仕入れたかは関係ありません。」という回答でした。
それでも「警察で確認した」という人が実際にいるということは、それが故意に流されたデマ情報という可能性以外には、次の2つの可能性が考えられます。
- 都道府県警察本部の独自の判断(多分、これは無いと思うのですが)、又は、ある警察署の古物担当官の独自の判断である可能性
- 質問した人の質問の仕方が的確ではなく、質問された警察の担当官が質問の意図をはき違えて回答した可能性
私は、ネット上で拡がっていいる「個人から買い取るのではなく、ブックオフやヤフオクなどから古物を仕入れる場合、古物商の許可は必要ない。警察で確認したから間違いない。」という情報は、2つ目の可能性が高いのではないかと考えています。
単に「ブックオフやヤフオクから買取するのに古物商許可は必要ですか?」なんて質問したら、そりゃ「古物商許可は必要ないですよ」と答える担当官もいるかもしれません。転売を目的としない、自己使用が目的の買い取りなら古物商許可は必要ないですからね。
ネット上の情報だけを信じるなんてナンセンスですし、リスク管理が弱いと言わざるを得ません。もし、盗品であることを知らずに古物を買い取ってしまい、警察の盗品捜査が自分にまで及び、無許可で古物を買い取っていることが問題になったとき、「うちの警察署で、古物商許可が必要ないなどと言っているわけがない」と警察に言われてしまったらアウトで、処罰の対象になるかもしれません。
ネット上の情報や警察署の一担当官がいった言葉を鵜呑みにするのではなく、古物営業を規定する法令から判断することが自分の身を守れる唯一の方法ですので、一度、古物営業法と古物営業法施行規則をじっくり読んでみて下さい。自分の身を守るためのなので、面倒くさいと思わずに・・・。
ちなみに無許可営業の罰則は、古物営業法第31条で「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 」と定められております。
このような処罰を受ける覚悟で無許可のまませどりを続けるのか?19,000円の審査手数料を警察署に支払って古物商許可を取得し、安心してせどりを続けるのか?そのどちらを選ぶかはあなた次第なのです。
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