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本当に重要な違いとは?

会社を設立するときに、どの会社形態がふさわしいのかを迷われる方も多いことと思います。
会社の形態と言えば、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4形態になるのですが、選択でよく迷われるのが、株式会社にするか合同会社にするかだと思います。
そこで、問題になってくるのが、株式会社と合同会社の違いでありましょう。

株式会社と合同会社の違いでよく真っ先に挙げられるのが「所有と経営の分離と一致」について。所有と経営が分離しているのが株式会社、所有と経営が一致しているのが合同会社ということです。
このこと自体はもちろん正解であって、この所有と経営が分離しているのか一致しているのかで、さまざまな違いが生じていることも紛れもない事実です。

しかし、現在設立する株式会社の多くは、発起人(所有)と取締役(経営)が同じであることも多く、その意味では、「所有と経営の【分離】か【一致】」の違いというのでは、今ひとつピンと来ないのではないでしょうか。
そこで、「所有と経営の【分離】か【一致】」というような、設立時の会社にほとんど関係ない小難しい話しは抜きにして、「所有と経営が実質的には分離していない株式会社」と「合同会社」との本当に重要な違いを見てみることにしましょう。

合同会社のほうがメリット

合同会社が株式会社よりメリットがあると思われるのは、以下の3つである。

  1. 役員の任期がない
  2. 決算公告が不要である
  3. 設立費用が安い

役員の任期がない

合同会社に「役員の任期がない」というのは、所有と経営が一致していることから派生していることです。では、この「役員の任期がない」ことの何がメリットかということですよね。
役員の任期が終了すれば、また役員を選任しなければなりません。もちろん、同じ人を選任することができるわけである。このこと自体さほど問題ではないのであるが、同じ人を再任した場合にも、登記所に届出を提出しなければならないのである。そして、それには登録免許税をという費用が掛かるわけである。つまり、役員の任期がない合同会社では、この役員選任の登録免許税が必要ないということであり、それがメリットになるということです。まっ、この登録免許税はわずか1万円なので、たいした負担にはならないかもしれませんが。

決算公告が不要である

株式会社では毎年の決算公告が義務付けられています。公告を日刊新聞や官報を選択している場合には、もちろんその掲載費用が掛かるわけです。合同会社では決算公告が不要ということは、それらの掲載費用が不要であるということであり、それがメリットになるということです。自社のホームページの電子公告ならこういう費用は掛からないということがありますが、電子公告は電子公告ならではのデメリットがあります。まっ、そのデメリットについては別の機会にでも説明いたしますが。

設立費用が安い

合同会社は、株式会社と違って、設立時の原始定款の認証手続きの必要がありません。だから、公証人に支払う手数料五万円も発生しません。また、設立時の登録免許税も、株式会社が最低15万円であるのに対して合同会社の場合は最低6万円となります。つまり、合同会社は株式会社より設立時の費用が14万円ほど安いことになり、それがメリットということになります。

以上の3点のメリットを見ていただければお分かりになるように、合同会社は、設立費用も運営費用も株式会社より安くて済むということになるのです。

株式会社のほうがメリット

さて、合同会社に対して、所有と経営が分離していない株式会社のメリットとは何でしょうか?
これはひとえに知名度に尽きると思います。正直、世の中には合同会社という会社形態があること自体知らない方がごまんといます。それに対して、株式会社を知らない人は、大人であればほぼ皆無でしょう。この知名度の差は営業に影響する可能性があるわけです。つまり、同じサービスの内容なら、合同会社より何となく株式会社のほうが信用できそうな気がして、そちらを選択してしまうこともあるということです。

まとめ

このように、費用の面では合同会社に、知名度の面では株式会社に分があるわけです。
つまり、どちらのメリットを自社は享受すべきかを考えて、会社の形態の選択をすればよいわけです。

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