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ずいぶん前の話になりますが、いつもお世話になっている税理士さんから外国人の方をご紹介していただき、その方の会社設立手続きをお手伝いさせていただいたことがあります。

ご紹介いただいた外国人の方は、日本人の配偶者がおられるアメリカ人で、日本に住んで10年以上にもなるということ。とても日本の文化を愛して下さっているようで、住んでおられるお家、家財などからもそれがすごく伝わってきます。この人の家には2回ほどお邪魔させていただきましたが、行く度に日本人として恥ずかしさを禁じえません。自分は、これほど自分が生まれた国の文化を愛せているのかと・・・。

そんな廣畑の想いはさておき、久方振りに外国人が発起人・取締役となる株式会社の会社設立手続きをさせていただいているわけですが、一つ思い違いをしていたことがありましたので、自分の備忘録として記事にすることにしました。

それは、氏名の登記上の表記についてです。

登記の際の欧米人の方の氏名の表記

欧米人の方が日本で印鑑登録をした場合、印鑑証明書には、その氏名欄にはローマ字表記された氏名が、通称欄などにカタカナ表記された氏名が通常では記載されてあります。

今回のご依頼者の印鑑証明書を拝見したときに、「以前に欧米人の方の会社設立手続きをお手伝いしたときは、確か、登記上の氏名をカタカナで記載したはず。」と思い出した私は、お客様に「法務局に念のために確認してみますが、カタカナで氏名を表記することもできるはずですので、ローマ字とカタカナのどちらの表記がよろしいですか?」と連絡を入れてしまいました。

しかし、そもそもそれが思い違いで、欧米人の方の氏名表記は『カタカナ』しかできないということが、法務局に確認したところ判明いたしました。お客様はローマ字で表記したいとご希望されたのですが、氏名はカタカナ表記でしか登記できないことを改めてお伝えさせていただきました。

結果、それぞれの表記をどうしたのかというと、以下のようにしました。

氏名の表記のまとめ

印鑑証明書の氏名欄の表記:ABC EFG HIJ
印鑑証明書の通称欄の表記:エービーシー エーエフジー エイチアイジェイ

定款上の表記:エービーシー エーエフジー エイチアイジェイ(ABC EFG HIJ)
登記上の表記:エービーシーエーエフジーエイチアイジェイ
       又はエービーシー・エーエフジー・エイチアイジェイ

登記上の表記はカタカナ表記のみしますが、ファーストネーム、ミドルネーム、ラストネームの間にスペースを設けることができないので、上記のように間を詰めるか、間に「・」を記入することになります。

それにしても以前カタカナ表記したことを覚えていて良かったです。そうでなければ、商号のローマ字表記が認められているので、氏名もそのままローマ字で表記してしまっていたかもしれません。それでも、公証人の先生がちゃんと事前に指摘してくれるはずですけどね。

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