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  タイトル: 「想像力」を養い“掛け替えの無い存在になる”【2009年6月3日投稿】
【本文】
最近思うのですが、ビジネスで成功する要因として、「想像力」というものが非常に重要であると考えています。

巷には、ビジネスで成功するための法則や戦略などの情報が溢れかえっています。
これらの数多の情報の中には、まがい物ではない情報も確かに存在するのです。

でも、そのような本物の情報に出会っても、ビジネスにおいて成功する人は僅かであると言われています。

よく目にするのが、「この情報を単なる知識として終える人と、それを実践に移す人とでは大きな違いがあります。ビジネスに成功するかどうかは、その与えられた情報を実践するかしないかの違いです。」というようなこと。
これは、ある意味その通りだと思います。

しかし、果たしてそれだけなのでしょうか?

実際に、その情報通りに実践したけれどもうまくはいかなかった、という人もたくさんいるではないでしょうか?
※確かに、実践しない人は論外ですが…

では、実践してうまくいく人といかない人との差はどこにあるのでしょうか?

私は、そこが「想像力」の差ではないのかと思っております。

ビジネスに成功する大原則というものがあって、それは、「“掛け替えの無い存在”になること」だと私は思っています。
もし、“掛け替えの無い存在”になることが出来なければ、いずれ他の者に取って替わられることを覚悟しなければなりません。 

別に、万人にとって“掛け替えの無い存在”になる必要はありません。
“掛け替えの無い存在”だと、自分のことを思ってくれる人が多ければ多いほど、ビジネスとして成り立つ可能性が大きくなるということです。

そして、その“掛け替えの無い存在”になるためには、「想像力」の豊かさというものが欠かせないと思うのです。

例えば、「ビジネス成功法則」という情報が与えられたとします。

その情報を、そのまま受け止めて実践する人。

かたや、

その情報の「情報発信時のビジネス環境や時代的背景」や「施策に至った著者の思考の変遷」などなどに想像力を働かせて、自分に置き換えたときには、その情報をいかに活用すべきかを考えた上で実践する人。

この両者には大きな違いが出てくるのではないでしょうか?


さらに言えば、「想像力」を補完するものが「知識」であり、「経験」であるのだと思います。

「想像力」を有益に働かすためには、それに関する情報(つまり、「知識」)をいかに多く持っているかに左右され、その上、「経験」の豊富さが、さらなる「想像力」を掻き立ててくれるのではないでしょうか。

この「想像力」を養い“掛け替えの無い存在になる”というのは、ただ、ビジネスに成功する大原則というような大義のものだけではありません。
他者とのコミュニケーションにおいても、この「想像力」というのは非常に重要であると考えます。

よく、友人や知人で共同で事業を経営される方がいます。
しかし、この共同経営というのは、実は、結構難しいものであって、私が支援したお客様の中にも共同で経営をされた方がいたのですが、結局は袂(たもと)を分かつ結果となった方が少なくありません。

これも、お互いに“掛け替えの無い存在”であったならば、袂を分かつようなことにはならなかったのでは?と思えるのです。

“掛け替えの無い存在”というのは、「他者に取って替われないような存在」ということです。言い換えれば、「この人は、いなければ困る」というような人のことです。

“掛け替えの無い存在”と言えば、「自分は、掛け替えの無いほどの専門的な知識は持っていないよ!」と反論される方もいるかもしれませんが、私の言っている“掛け替えの無い存在”というのは、簡単に持ち得ないような高度な専門性を持てということではありません。
※もちろん、あればあるに越したことはありませんが、掛け替えの無い高度な専門知識を持っている人なんてごくわずかですから。

他者にとって“掛け替えの無い存在”になるためには、以下の2つのことを実践していけばいいのではないかと私は考えています。

一つは、
「相手が求めてきたことに対して“想像力”を働かせる。」
ということです。

例えば、A氏が、B氏・C氏・D氏のそれぞれに対して、「●●地区にイタリアンレストランの出店を考えているんだが、採算が取れるかどうかを調査してくれないか?」と言ってきたとします。
※飲食店の実情に詳しいわけではありませんので、あくまで例示とし て書かせていただいております。

B氏は、「●●地区は、既にイタリアンレストランが5件あり、競合がかなり激しいので、今から出店しても採算が取れるような店になるのは難しいでしょう。」と報告しました。

しかし、このような報告では、まさにガキの使いの範疇です。単に言われたことに対しての報告しかされていないのですから。

ここで、「想像力」を働かさなければなりません。

A氏の狙いは「採算が取れるイタリアンレストランを出店したい。」ということです。             

そこから「想像力」を働かせれば、

C氏の、
「●●地区は、既にイタリアンレストランが5件あります。今の価格では、採算の取れる店舗の出店は難しいかもしれませんが、この地区に中華レストランがありまして、その価格は他のイタリアンレストラン店の価格より20%ほど安く、大変な盛況を示しています。ですので、今の価格を20%下げても採算が取れるコストダウンが図れるのであれば、採算の取れる店舗になるかもしれません。」

 とか、

D氏の、
「●●地区は、既にイタリアンレストランが5件あります。しかしながら、となりの▲▲地区では、イタリアンレストランが1件しかなく、●●地区に比べても人の流動が80%ほどあります。この▲▲地区なら十分に採算の取れる店舗になるかもしれません。」

というような報告になることでしょう。

その報告が、正しいかどうかということは二の次なのです。
A氏は、何も「出店ができない」という判断が欲しいのではなく、「どうしたら出店できるのか」という判断材料が欲しいのですから。

このように、A氏の表現した言葉以外の真の目的を、想像力を働かせて回答したC氏とD氏の報告は、「採算の取れるイタリアンレストランの出店」という目的に対しての判断材料になるわけですから、非常に有益な情報となります。

こういう情報を常に与えてくれる人は“掛け替えの無い存在”としてA氏に認識されていくことでしょう。

かたや、B氏のような報告しか出来ない人は、C氏やD氏のような人に、その立場を奪われていくことでしょう。
例え、B氏がA氏にとって旧知の友であったとしても、ビジネス上では、B氏の立場を守っていくことは出来ないでしょう。


もう一つは、
「相手に自分の状況を包み隠さずに伝える。」ということです。

共同経営をしていて、うまくいかない原因として、「お互いに何をやっているのかよく分からない。」ということが起因している場合が多々あると思います。

同じ事務所で、仕事中ずっと一緒にいれば、お互いに何をやっているのかが一目瞭然なのですが、やはり、個々の役割分担というのも非常に重要になってきます。

一人は、外に営業に行って仕事を取ってくる、もう一人は、内部統制や来た仕事を処理する、という役割分担もあることでしょう。

営業の成果がすぐに現れ、仕事の結びついていけば良いのですが、なかなか仕事が発生しないと、事務所にいる人の方は、「あいつは、外でサボっていて営業などしていないのではないか?」などど疑念を抱くかもしれません。

かたや、営業に行っている人は、「俺は、外で汗水流して営業周りをしているのに、あいつは、中で仕事が来るのを待っているだけで、事務所にいてもボーっと座っているだけなんじゃないか?」と邪推するのかもしれません。

このようなお互いの疑念を払拭するのは、やはり、「相手に自分の状況を包み隠さず伝える。」ことだと思います。
「相手に自分の状況を包み隠さず伝える。」ことをしなければ、どのような疑念を相手に抱かせてしまうのかということを想像できなければならないと思うのです。

本当は、お互いに一生懸命やっているのかもしれませんが、相手の状況が分からないと、得てしてこのような疑念が湧くものです。

「伝えなくても分かるだろう。」とか、
「伝えなくても理解して欲しい」というのは、単なる身勝手な考えです。

さきほど、「想像力」を補完するものが「知識」であるということに言及しましたが、相手に穿(うが)った想像力を働かせないためにも、自分の状況を相手に「知識(情報)」として伝える必要があります。

「伝えなくても、それこそ“想像力”を働かせてくれよ!」というのは虫のいい話です。             

世の中には、「口に出して言わなければ分からない。」ということが山ほどあるのですから。

何も、プライベートな事まで包み隠さず伝えようと言っているのではありません。一緒に仕事をやっていく仲間なのですから、仕事に関することだけは包み隠さず伝えようと言っているのです。

お互いの状況を相手に包み隠さず伝えることによって、はじめて、お互いの信頼関係を築いていくことができ、お互いに“掛け替え無い存在”へと昇華していくものなのではないでしょうか。

友人・知人であることだけで、ビジネス上においても信頼関係が築ける、というのは甘い妄想に過ぎないと思うのです。
友人・知人であることが、かえって「言わなくても分かってくれるだろう。」という甘い考えを生み出し、円滑なコミュニケーションの阻害となっていることがあるということを理解しなければなりません。

相手が、良いことも悪いことも自分の状況を包み隠さず伝えてくれるからこそ、もし、相手の状況が芳しくない場合には、それこそ「想像力」を働かせて、その打開策を考えてあげようと思うものなのではないでしょうか?
人間というものは、分からないことには、あまり想像力が働かないのだから。

例えば、

「宇宙の終わりについて考えて下さい。」

と言われても、私なんかには何の想像力も働きません。

そもそも宇宙がどういう風に生まれ、どのような経緯で現在に至っているのかさえよく分からないのですから。
 
「ビックバンが宇宙の始まりであり、現在も膨張し続けている。」ぐらいの知識しか持ち合わせていないからだと思います。
※ビックバン説が正しいのかどうかもよく分かりませんし。

これが、物理学者や科学者となると、それなりの見解を導き出すことが出来るのでしょう。それは、宇宙に対しての豊富な知識と長年の研究という豊富な経験を持っているからに他なりません。

少し話は脱線しましたが、「想像力」を養い、“掛け替えの無い存在になる”ということを、私は最近になってやっと意識し始めたところなのです。

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